カーテンコール 〜GLAY全曲レビュー〜

主観とちょっとのふざけ心でGLAYの曲をレビューしていきます。GLAYファンの方の暇つぶしになれば、また初めてGLAYを聴く方やこれから聴いてみようと言う方の参考になれば嬉しいです。

TWO BELL SILENCE(灰とダイヤモンド ♯7)

灰とダイヤモンドが誇る屈指のロックナンバー。後にGREATE VACATION VOL.2に収録されることにもなった人気曲。そして僕がヴィジュアル系というジャンルにハマるきっかけにもなった曲。

 

このアルバムを初めて聴いたのが中学校2年生の時で、丁度僕が黒魔術に傾倒してたり、毎日生きる意味について考えてたり、闇遊戯みたいなもう1人の人格を自分の中に飼っていた(そう思い込んでいた)時期だった。なんでそんな風になってたかって?中二病だったんだ察してくれ。ちょうどそんな時期にこんなバイオリン+クサメロ+退廃的な歌詞の曲なんか聴いたらさ、そりゃ耽美なヴィジュアル系にハマっちゃうってもんよ。不可抗力。ノートにポエムとか書いたりしたよな。ワックス使い始めたのもこの頃からだったよな。アクセサリーなんか身に付け始めたのもこの頃だったよな。だってもう1人の僕が言うんだもん『もっと腕にシルバー巻くとかさ。』うるせーよなんの告白だよ。闇のゲームかよコレ。

 

前置きが長くなってしまったけど、冒頭にも書いた通り灰とダイヤモンド屈指のロックナンバー。イントロで出てくるHISASHIのピッキングハーモニクスがメチャクチャカッコいい。ピッキングハーモニクスってギターやってない人にはピンとこないと思うけど、HISASHIがよく使ってるテクニックで高い音で『ピー』とか『ピャーッ』とかいきなり鳴るやつ。この曲のイントロ以外だと真夏の扉のイントロでも聴けるし、他にもMERMAIDやVERBがわかりやすいかも。

 

このピッキングハーモニクス、やり方がちょっと難しくて『ピックで弦を弾くのと同時に右手の親指をその弦に当てる』ってゆう感じなんだけど、ギター弾かない人にはなんじゃらほいだよね。もうちょっと付き合ってくれ。僕はギターを始めたての頃、そんなやり方を知らなくて『弾く瞬間に気持ちを込めればピーって音がするんや!』と思ってた。もちろん言うまでもなく出来なかった。昔小学校の担任の先生が言ってた『気持ちがあれば何でも出来る』ってのは間違いなんだなって思い知った。世知辛い世の中だよ。頼りの神も失業中、人生ってやつはHuh…だから僕らガムシャラにってことなのかしら…

 

ちなみにギター繋がりでいうとこの曲のギターソロ、そんなに難しくないくせに凄くかっこいいからギター初めたての人の練習におススメ。特にソロ終盤のXっぽいツインリードのところ、自分のギターを録音してそれに合わせてハモりの所弾くと天国へ行けるよ。

 

さてさて、この曲の歌詞なんだけど、面白いなって思った所がある。真夏の扉では『幸せの形にこだわるあなたが睨む その人生愛しくなる』って言ってたくせにこの曲では『心殺すそのメロディ 真面目なその目で虐めないでよ』ってなってる。真夏の扉を真っ向から否定しにきてる。その対比というか、振り幅の広さが僕がTAKUROってすごいなって思う所。この振り幅って部分だとPRECIOUSとEternallyの対比は本当に感動した。またこの辺はそれぞれの曲で掘り下げていこうと思うんだけど、『出会い、それは人生の少しだけ残酷な賭け事』って綴ってた男が『出会いはとても不思議な時の贈り物ね』って綴り切った所はもう言葉が出なかった。EternallyのPVを観てた時にその事に気付いて、PVの影響もあったとは思うんだけど、誇張抜きに気付いた瞬間涙が溢れた。

 

TAKUROの言葉選びはキャリアからくるテクニックもあるとは思うんだけど、それよりももっと深い部分、例えば自身の著書『胸懐』でも綴られてた半生とか、そう言った所から滲み出てくる所が多いと思う。本当に凄い人だ。

 

ただ、『振り向き ときめき その気何の気?』はダサい。この韻の踏み方めっちゃダサい。と思ってたらその12年後、G4収録曲『恋』は凄かった。サビのメッセージも去ることながら、それでいてしっかり韻を踏んでるんだからTAKUROは本当に凄い人だ。(2回目)

 

ということで錆びたナイフ四天王のうちの一つ、TWO BELL SILENCEのレビューを終わります。あんまりTWO BELL SILENCE自体に触れていない?それはきっと気のせい。大好きな曲です。

LADY CLOSE (灰とダイヤモンド♯6)

灰とダイヤモンド収録曲の中でTWO BELL SILENCEと双璧をなすTHE・ヴィジュアル系然とした曲。

 

灰とダイヤモンド収録のHISASHIのギタープレイだと、この曲が一番好き。イントロのリードプレイやソロの時のHISASHIのトーン聴いてると本当に溶けそうになる。今でこそ飛び道具の使い方や、印象に残るリフメーカーのHISASHIだけど、LADY CLOSEはその原点になった曲のように感じる。Aメロ『紅く紅く〜』やCメロ『Sweet Junk』でのエフェクト掛かったリフとか本当に神掛かってる。

 

HISASHIって2000年代ONE LOVE以降どんどん個性的なギターを弾くようになってったなあって思うけど、90年代は『イチバンドのリードギター』って感じでオーソドックスなギタリストってイメージを僕は持ってた。90年代でもビリビリクラッシュメンみたいなギターソロを光線銃で済ませてしまうような突拍子ないことをたまにするくらいで、それ以外は悪い言い方をすれば並みのギタリストって印象だった。外見はメチャクチャ個性的だったけどさ笑笑 でも改めてLADY  CLOSEをちゃんと聴いてみて、この頃から個性的ギタリストの影を覗かせてたんだなって思う。

 

あとこの曲ってTAKUROのバッキングもめちゃくちゃカッコいいんだよね。それでHISASHIのフレーズもめっちゃめっちゃカッコいいもんだから、つまりはカッコいい×カッコいい=最強の法則。悟空とベジータポタラ合体してベジットになればもはや魔人ブウも目じゃない。やったぜ、地球の平和は守られた。

 

加えてソロが終わり、『Sweet Junk〜』のパートが終わってからの展開がめっちゃ好き。アルペジオで繊細なフレーズが来たかと思ったら一気にハードロックバンドが使っててもおかしくないブリッジミュートを組み合わせたリフが出てくる。そしてそこからの『audrey〜』怒涛の展開すぎる。急転直下。まさにジェットコースター。ホワイトサイクロンかよ。

 

ちなみに僕、女の子との初デートでナガシマスパーランドへ行ったことがあったんだよね。一番最初に乗ったのがバイキングだったんだけど、見事に乗り物酔いした。降りた瞬間トイレ直行して10分くらい篭ってた。何が起こってたのかは察してくれ。そのあと相手は僕を気遣ってアレ乗ろうよ〜とか言ってこないし、僕は僕でまた気持ち悪くなって迷惑かけちゃいけないからってコレ乗りた〜いとか言わなかった。ただ出店で食べたチュロスが美味しかった。三重まで行った思い出がチュロス美味しかっただけ。もうヤダ、これ以上書いてるとボロが出そう。海の底で物言わぬ貝になりたい。

 

歌詞については、この曲って魔性の魅力で何人もの男たちを魅了する女性がいて、それをその何人もの男たちの中の1人の目線で綴ったものだと思う。その女性の様を『銀幕の中』ってな風に映画に例えたのもお洒落。この歌詞の物語というか、表しているものは彼女の“Modern…”と近いと思う。ただしLADY  CLOSEの方がモダンと比べて全体的に耽美。ああ、GLAYってフォークなメロディばっかりじゃなくてちゃんとヴィジュアル系の血統も入ってるんだなぁってしみじみ思う。

 

暖かいGLAYも好きだけど、たまにはいつぞやのHISASHIの髪型みたいにツンツンしてるGLAYもいいなぁ。

 

RAIN(GLAY VERSION) (灰とダイヤモンド♯5)

YOSHIKIプロデュースの一曲でGLAYのメジャーデビューシングルにもなった。クレジットでは作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI/TAKUROとなっているが、この曲の前身となるJULIAが前年リリースされたGLAYのデモテープに収録されているので、実際のところ作曲はほぼTAKURO。歌詞についてはそれはもう芳醇なるYOSHIKIテイスト。

 

さて、このRAINなんだけど灰とダイヤモンドの中では個人的に異色な曲で、アルバムから浮いているようにも感じる。何故かってのを考えてみたんだけど、多分曲がバンドサウンドを極力廃したアコースティックなナンバーだからだと思う。ラスト曲の灰とダイヤモンドもアコースティックアレンジをしてある曲だけど、灰とダイヤモンドはアコギメインのアレンジになっているのに対してRAINはピアノとストリングスメインのアレンジだからだと思う。ギターなんて後半にちょろっとコードストロークがあるだけだ。メジャー版はバンドアレンジがしてあるんだけど、こっちのRAINはTERUのソロ曲ですって言われても全然納得できちゃうくらい。それくらいバンドサウンドとは無縁なアレンジがされている。

 

また、歌詞についてもこのアルバムには馴染んでいない気がする。上手く言えないんだけど、この灰とダイヤモンドに収録されてる曲ってどれも自分のことを歌ってるアルバムだと思ってる。それが自身の心の中の葛藤だったり、過去の回想だったりってテーマになっている。このRAINに関してはそういった自身の心の中の葛藤も歌ったりしてるけどサビの歌詞が『激しい雨の中で歌ってよ』『涙を止めて今語ってよ』『涙に濡れた薔薇を咲かせてよ』って自分と対をなす『あなた』への呼び掛けになっている。そこが違和感の根源だと思うし、『薔薇』っていう表現もなんとなくGLAYのイメージには合わない。ちなみにこのRAINの歌詞について『不器用な男が悩み苦しんでる中で悲しみに暮れる女性を慰めようとする。だってその女性の笑う顔こそその男の癒しであり、救いでもあるから』ってな感じに僕は捉えた。この辺はメジャー版のレビューのときに掘り下げていこうと思う。

 

また、例えばこれがRAINとしてじゃなくJULIAとしてリリースされてたとしても多分違和感は感じてたと思う。『優しい唄をMOON LIGHT 唄ってよ』ってJULIAの歌詞もあなたへの呼び掛けになってしまっているから。アレンジはどうなってたかわからないけどさ。

 

ここまで灰とダイヤモンドには合わない曲だとは言ってたけど、僕自身このRAINって曲は案外好きだったりする。メジャー版よりもこっちのインディー版の方が好き。バンドミュージックばかり聴いてるとドラムの音に疲れてしまうことって僕は多々あるんだけど、そんな時にこのRAINはスッと入ってくる。

 

また作詞がTAKUROじゃないって言うのも大きい。これから言うことはファンとしてTAKUROの歌詞が大好きなことが前提の上で言うんだけど、TAKUROが詩をつけた曲って聴き続けると疲れてしまうことがある。

 

世の中の作詞家って大きく分けて2通りいるって言うのが僕の持論なんだけど、その片方が抽象的な言葉遣いで聴き手に情景をイメージタイプの作詞家。もう片方が文字の情報量の多さで聴き手に情景をイメージさせるタイプの作詞家。今回のケースで比べてみると、YOSHIKIは前者でTAKUROは後者だと思う。やっぱり情報量が多いと疲れてしまう。例えば、同じ内容が書いてあるとして、イラスト付きの説明書とイラスト無しで文字でギッシリ埋まってる説明書だったら文字でギッシリの方が読んでて疲れちゃうよね?そんな感じ。

 

ちなみに僕はRAINを『不器用な男が悩み苦しんでる中で悲しみに暮れる女性を慰めようとする。だってその女性の笑う顔こそその男の癒しで救いでもあるから』って曲だってさっき書いたけど、この内容をTAKURO流に書いた曲がHAPPINESSだと思う。この辺の考察もまたおいおい。

 

そんな感じでRAINのレビューだったけど、やっぱりバラードのレビューは書いてる方もチャラける余裕が無くなる笑笑

ひどくありふれたホワイトノイズをくれ(灰とダイヤモンド♯4)

シンプルな8ビートのナンバー。曲としては初期のGLAY流上質ポップス。

 

サビのTERUの『縛られて〜』の張り上げがめちゃくちゃカッコいい。真夏の扉やモダンでwowを棒読みしてたりと、まだまだ何かと荒削りな部分はあったけどこの頃からボーカリストとしての凄みを感じる。

 

ちなみに僕はこの曲を友達数人の前でカラオケで歌ったことがある。あの頃に戻れるならまずは『こんなマニアックなGLAYの曲も知ってるんだぜ、俺!』ってイキッてた自分をぶん殴りたい。もちろん彼らが知らなかった曲だったのでお通夜状態。また僕自身も歌が上手ければまだ少しは救われたのだが、我が固有スキル『音痴』が発動したこともありさらに加速するお通夜状態。でもそんな彼らも僕がこの曲を歌っている時に笑顔を見せたところがある。例の『縛られて〜』の部分だ。そうだよ、案の定失笑だよ。しかもGLAYの曲なのにhydeの声真似して歌ってたよ。素人音痴のhyde真似ほど聴いてて辛いカラオケはねえよ。うるせえ、ジャイアンじゃねえよ。もしドラえもんがいたらタイムマシン出してもらってあの頃の自分ぶん殴る。

 

 

そんなビターな思い出が詰まってて個人的に哀愁フィルターが掛かっているこの曲なんだけど、冒頭にも書いた通りメロディは上質なポップス。ただ歌詞が消極的で暗い。嫌いとか苦手って訳ではないんだけど、こういったポップで爽やかなメロディ・演奏×暗い歌詞の曲ってどことない恐怖を感じる。なんていうか、昨日までニコニコしてた同僚が翌日突然退職願持って出社してきたような、そんな感じ。その振り幅というか、そこが結構怖い。ほら、スイカに塩振ると何もかけてないときよりも甘く感じるじゃん。冷静に考えたらそれって怖くない??なんで塩かけとるのにしょっぱくならんねんってならん???人間って本当不思議やんな…

 

まあスイカの話はどうでもいいんだけど、この曲の歌詞って真夏の扉のアナザーストーリーなんじゃないかなーって個人的に思ってる。

 

夏の扉の最初のAメロの歌詞って

 

『ありふれた奴等の言葉はいつもの皮肉 諦めを手にした瞳 輝きはなくて 聞き流す耳からこぼれてしまったものは かつて愛した夢』

 

って感じで『夢を諦めて投げやりな自分』を表現してるんじゃないかなーって思ってるんだけど、真夏の扉の主人公はここからつまづいた季節はきっと想い出に変わるってことを気づかせてくれた貴方と出会って変わろうと頑張る決意をする。でもホワイトノイズの主人公は多分その『貴方』に出会えなかった未来の話なんじゃないかなーと。だから『誰の為に歌えばいいの?』って自問もするし、回る回る世界の真ん中でただ独り、途切れ途切れ想い出に縛られて一歩も動けないわけで…

 

いや、もうこの解釈は本当に僕の妄想なわけなんだけど、こういった妄想とか自分なりの考察を深掘りしていけるところが一つのバンド・歌手を聴き続ける面白さだと思う。

 

ちなみに昔のブラウン管テレビで言うところの砂嵐のザーッて奴が所謂ホワイトノイズなんだけど、当時このホワイトノイズのザーッて音を聴いてると何か眠くなったんだよね。調べてみたらやっぱりホワイトノイズには安眠をもたらす効果があるそう。この曲の主人公は『もういっそ何もかも投げ出して眠ってしまいたい』って思ってホワイトノイズをくれって言ってたのかもね。

KISSIN' NOISE (灰とダイヤモンド♯3)

前回のモダンさんのときもワタクシ同じことを書きました。初めてこのアルバム聴いてから10年以上経ってるわけなんだけどタイトルが何を意味するのかわからない。いや、モダンはまだなんとなくわかったけどコレは欠片もわからない。考えれば考えるほど迷う。強いて言うなら終わりのない自問自答的なアレ。深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ的なことニーチェが言ってたけどそう言うこと。つまり哲学。もう哲学だよ、この曲のタイトルと歌詞。

 

さてそんなKISSIN' NOISE、哲学なタイトル・歌詞とは裏腹に曲はめっちゃポップ。初っ端のグッラーーーーーーーックからもう気持ちいい。灰とダイヤモンドの中で一番TERUの声が活き活きしてるし、なんならギターもめちゃくちゃカッコいい。もっと言えばベースも気持ちいい。このアルバムの中で一番GLAYしてんなぁ!って感じる曲。

 

夏の扉でも書いたけど、GLAYサウンドの肝ってTAKUROとHISASHIのギターのワチャワチャ感だと思ってる。そしてそれがこの曲は存分に発揮されている。例えばAメロのところなんかワウのカッティングやってる裏でディレイが掛かったコンパクトなフレーズが流れてる。コレだよコレ。あといい意味でチープ。例えば構成が複雑だから2番って呼んでいいのかわからないんだけど2番の『それも人生』の後のエレキのリードとアコギのアルペジオになるところ。リード&アルペジオってことでLUNA SEAを引き合いに出すけどSUGIZOINORANがこのセクションを色付けするとしたらギャンギャンとギターが鳴く宇宙的な感じ、それこそ『深淵を覗くとき深淵もまた〜』みたいなアレンジをしてくると思う。でもGLAYはちゃんと地に足が着いてる。LUNA SEAと比べるとチープなアレンジだけどそれがいい味を出してる。これがGLAYのギターの妙だと思う。僕が春風亭昇太ならGLAYに座布団10枚あげちゃう。

 

ここまでギターの感想ばかり書いたけどベースも今回主張するポイントが多い。2回目のAメロの前と『Return to our mother〜』のところだ。GLAYの中でもここまでベースが出てくることって結構珍しいなって個人的に思う。おまけに曲の構成も普通のポップスみたいに1番があって2番があって間奏が入って最後のサビになって〜って感じではなくて変則的なんだけどそれをGLAYが料理するとちゃんと耳障りの良い上質なポップスになるから不思議。

 

ただ、相変わらずこの曲の歌詞は分からない。でも不思議なもので『キス!キス!キッシングノイズ!!』って哲学マンなTAKUROもこのアルバムのリリースから13年後くらいには『彩りのようなやさしいキスをしよう』ってな具合になるんだよね。進研ゼミの宣伝漫画じゃないけど、人って変われるんだなぁ。

彼女の“Modern…”(灰とダイヤモンド♯2)

中2の時に初めて聴いた曲。あれから10年以上経った今でも曲名の意味がよくわからない。いや、なんとなくはわかるんだけど『こういう意味やろっ!』っていう確信というか決定打がまだ自分の中に存在しない。例えるならばその様はまるで日本代表のサッカーのよう。我が胸中の本田圭佑が未だにセンターライン辺りで彷徨っている。

 

今回はそんな曲、彼女の“Modern…”のレビュー。この曲は後に3枚目のシングルとしてアレンジし直されたんだけど、それが全く売れずにTAKUROがガッカリしたっていうエピソードがあったり。それはメジャー版のレビューの時にでもまた書こうと思います。ちなみに僕が最初に聴いたのは佐久間正英がアレンジに携わったメジャー版だったんだけどその時の感想は『ごっつかっこええやん…!』。さて、セルフプロデュースのインディーズ版はどんな感じなのかしら…

 

CDをセットしてプレーヤーの再生ボタンを押した瞬間にずっこけた記憶がある。って言うのも最初のドラムのフレーズがダサい。良いダサさじゃなくて悪いダサさ。その後のギターのリードフレーズも何か変なエフェクト掛かってるし…メジャー版からは都会的な感じがしたけどこっちからは地方の風の匂いがしたよ…。メジャー版が新宿の夜ならインディー版は昼間のイオン、いや、違う…ジャスコだよジャスコ。サビのWOWも棒読みでジャスコ感を加速させてるよ…

 

でもそんなインディー版でも僕の琴線に触れたところがあった。それはギターソロ。実はソロの終わりにメジャー版には存在しなかったフレーズが4小節分追加されてる。そこが最高にカッコいい。ここだけでご飯めっちゃ食べれる。そうだよな、新宿にはトイザらスないけどジャスコならテナント入ってたりするもんな、トイザらス。本当にこのトイザらスキッズ的4小節で毎回感動する。とはいってもこの4小節だけではそれまでのマイナスイメージの返上は難しかったんだけどね。やっぱり音が軽いっていうのもあるし、GLAYにとって佐久間さんがどれだけ要だったのかっていうのが音作りやフレーズの節々から感じる。叶うのであれば佐久間さんが携わった灰とダイヤモンドを聴いてみたかった。

 

っていう感じで曲自体は好きなんだけど、所々でやっぱり佐久間さんが携わったメジャー版に比べて密度が薄いというか、そんな印象。と、まあここまで酷評続きだったけど、実は最初にギターでコピーした曲がこの彼女の“Modern…”だったりする。当時本当にリズム感皆無で『ッチャッチャッチャッチャ』っていう裏打ちがそれはそれはリズム通り弾けなくてとても鍛えられた思い出。ギターソロも『何じゃこれ、クッソ速いやん!!!』ってなって気づいたらメタル聴くようになってた。マスパペは精神安定剤

 

さてさて、このモダンさん、最後のサビ前の歌詞が『君の“S・D・R”(SEX・DRUG・ROCK'ROLL)』なんだけど、このSEXとDRUGのせいでGLAYを聴き始めた当初は親や友達の前でこの曲を聴くことが出来なかった。親の車でこの曲が入ったアルバム聴いてる時もモダンになったら絶対プレーヤーの次の曲へいくボタン押してたし、当時流行ってた俺の作った最強プレイリストMDを友達と交換するときも絶対この曲は入れなかった。ほら、当時はまだ多感な中学生だったからさ…

 

ちなみに親の車に乗ってるときにこのモダンさんを飛ばすときは『俺、この曲あんま好きじゃないんだよね〜』っていつも言ってた。まさに気まずいムードにネガティブな捨て台詞。お後がよろしいようで。

真夏の扉(GLAY VERSION) (灰とダイヤモンド♯1)

初っ端からTERUの吐息にエロスを感じる。

 

さて、令和初のGWも最終日ですね。僕はGW中も企業戦士として絶賛お仕事をしていました。10連休なんて幻想やったんや…

 

今回レビューする真夏の扉は後にメジャー2作目のシングルとなり、テレビアニメ『ヤマトタケル』のオープニングのタイアップが付いた曲。メジャー版は一風堂のギタリスト、土屋昌巳がプロデュースしてるけどインディー版のこっちはGLAYのセルフプロデュース。

 

冒頭にも書いた通り最初のTERUの吐息がエロい。『ッアー…』って文面にすると別ベクトルのエロさ(ご想像にお任せします)が出てしまうけど笑 ただこれが土屋昌巳の手にかかるとカットされてまうというミステリー…なんでや…その後のwowowの部分はメジャー版になってある程度脱棒読みしたけどなんで吐息削ってしまったんや…

 

この真夏の扉も含めて灰とダイヤモンドって多分当時のプロダクションの問題だと思うんだけど音が軽い。でもこの曲の時点である程度GLAYサウンドアプローチの原点は出来ていたんだなって思う。GLAYのロックな曲のサウンドって基本的にしっかりしたリズム隊+TAKUROのバッキング+HISASHIのリードかなって個人的には思っているんだけど、それだけだと他にも同じ構成のバンドはいっぱいいる。ここからは上手く言葉に出来ないんだけど、そこから差別化出来ているのはTAKUROとHISASHIのツインギターのガチャガチャ感だと思う。良い意味でチープなガチャガチャ感。今でこそ飛び道具使いまくりで何でもありのHISASHIと枯れたトーンでブルージーTAKUROだけど、GLAYサウンドって何かって突き詰めていくとその正体はこのツインギターのガチャガチャ感だと思う。イントロ聴いてもらえれば僕の言いたいことって多分わかってもらえると思う。両chからガチャガチャっと攻めてくるあの感じ。

 

さて、その調子で曲が進んでいって2番に入ると『争いの果てにこだまするサイレンの下〜』!?!?!?メジャー版では聴いたことがないパートが出てきます!!メジャー版ではありがとうございます、カットされています。このカタルシスを楽しめるのはインディー版だけ。

 

そしてサビがあって最後のサビでまたも!?!?!?メロディが…上がる…だと…!?!?!?なんでメジャー版でこれ採用せんかったんや…めっちゃかっこいいやんけ…この感動を上手く伝えられないことが悔しい。このカタルシスを楽(ry

 

歌詞からは『一度は夢を諦めた男が1人の女性と出会ってもう一度立ち上がろうとしている』って物語を想像したんだけど、最後のサビの歌詞が『夢を見る勇気が欲しい』ってことは多分まだ立ち上がりきれていないのかなと。『欲しい』ってところにそう感じた。

 

あとこの曲を初めて聴いたのって自分が当時中2くらいで、その時に『幸せの形にこだわる貴方が睨む その人生愛しくなる』って歌詞が凄い胸に響いたんだけど意味というか、どう解釈すればいいのかがわからなかった。正解か不正解かは置いといて大人になった今はなんとなくその意味がわかった気がする。例えば恋人が『結婚したら将来はこんな所に住みたい、そしたら犬を飼って、子供は何人欲しい、そして隣にはあなたがいて欲しい』ってそんな感じで自分が思い描く幸せな未来図を一生懸命語っていたとしたらこっちも頑張ろうって思うもんな!!一生懸命生きようって思うもんな!!!その幸せを叶えて一緒に生きていこうと思うもんな!!!!!!!多分そういうこと。いや、自分そんな嫁も恋人もいないアラサー独身貴族なんだけどさ…

 

あー、夢を見る勇気が欲しい。