カーテンコール 〜GLAY全曲レビュー〜

主観とちょっとのふざけ心でGLAYの曲をレビューしていきます。GLAYファンの方の暇つぶしになれば、また初めてGLAYを聴く方やこれから聴いてみようと言う方の参考になれば嬉しいです。

KISSIN' NOISE (灰とダイヤモンド♯3)

前回のモダンさんのときもワタクシ同じことを書きました。初めてこのアルバム聴いてから10年以上経ってるわけなんだけどタイトルが何を意味するのかわからない。いや、モダンはまだなんとなくわかったけどコレは欠片もわからない。考えれば考えるほど迷う。強いて言うなら終わりのない自問自答的なアレ。深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ的なことニーチェが言ってたけどそう言うこと。つまり哲学。もう哲学だよ、この曲のタイトルと歌詞。

 

さてそんなKISSIN' NOISE、哲学なタイトル・歌詞とは裏腹に曲はめっちゃポップ。初っ端のグッラーーーーーーーックからもう気持ちいい。灰とダイヤモンドの中で一番TERUの声が活き活きしてるし、なんならギターもめちゃくちゃカッコいい。もっと言えばベースも気持ちいい。このアルバムの中で一番GLAYしてんなぁ!って感じる曲。

 

夏の扉でも書いたけど、GLAYサウンドの肝ってTAKUROとHISASHIのギターのワチャワチャ感だと思ってる。そしてそれがこの曲は存分に発揮されている。例えばAメロのところなんかワウのカッティングやってる裏でディレイが掛かったコンパクトなフレーズが流れてる。コレだよコレ。あといい意味でチープ。例えば構成が複雑だから2番って呼んでいいのかわからないんだけど2番の『それも人生』の後のエレキのリードとアコギのアルペジオになるところ。リード&アルペジオってことでLUNA SEAを引き合いに出すけどSUGIZOINORANがこのセクションを色付けするとしたらギャンギャンとギターが鳴く宇宙的な感じ、それこそ『深淵を覗くとき深淵もまた〜』みたいなアレンジをしてくると思う。でもGLAYはちゃんと地に足が着いてる。LUNA SEAと比べるとチープなアレンジだけどそれがいい味を出してる。これがGLAYのギターの妙だと思う。僕が春風亭昇太ならGLAYに座布団10枚あげちゃう。

 

ここまでギターの感想ばかり書いたけどベースも今回主張するポイントが多い。2回目のAメロの前と『Return to our mother〜』のところだ。GLAYの中でもここまでベースが出てくることって結構珍しいなって個人的に思う。おまけに曲の構成も普通のポップスみたいに1番があって2番があって間奏が入って最後のサビになって〜って感じではなくて変則的なんだけどそれをGLAYが料理するとちゃんと耳障りの良い上質なポップスになるから不思議。

 

ただ、相変わらずこの曲の歌詞は分からない。でも不思議なもので『キス!キス!キッシングノイズ!!』って哲学マンなTAKUROもこのアルバムのリリースから13年後くらいには『彩りのようなやさしいキスをしよう』ってな具合になるんだよね。進研ゼミの宣伝漫画じゃないけど、人って変われるんだなぁ。