カーテンコール 〜GLAY全曲レビュー〜

主観とちょっとのふざけ心でGLAYの曲をレビューしていきます。GLAYファンの方の暇つぶしになれば、また初めてGLAYを聴く方やこれから聴いてみようと言う方の参考になれば嬉しいです。

ひどくありふれたホワイトノイズをくれ(灰とダイヤモンド♯4)

シンプルな8ビートのナンバー。曲としては初期のGLAY流上質ポップス。

 

サビのTERUの『縛られて〜』の張り上げがめちゃくちゃカッコいい。真夏の扉やモダンでwowを棒読みしてたりと、まだまだ何かと荒削りな部分はあったけどこの頃からボーカリストとしての凄みを感じる。

 

ちなみに僕はこの曲を友達数人の前でカラオケで歌ったことがある。あの頃に戻れるならまずは『こんなマニアックなGLAYの曲も知ってるんだぜ、俺!』ってイキッてた自分をぶん殴りたい。もちろん彼らが知らなかった曲だったのでお通夜状態。また僕自身も歌が上手ければまだ少しは救われたのだが、我が固有スキル『音痴』が発動したこともありさらに加速するお通夜状態。でもそんな彼らも僕がこの曲を歌っている時に笑顔を見せたところがある。例の『縛られて〜』の部分だ。そうだよ、案の定失笑だよ。しかもGLAYの曲なのにhydeの声真似して歌ってたよ。素人音痴のhyde真似ほど聴いてて辛いカラオケはねえよ。うるせえ、ジャイアンじゃねえよ。もしドラえもんがいたらタイムマシン出してもらってあの頃の自分ぶん殴る。

 

 

そんなビターな思い出が詰まってて個人的に哀愁フィルターが掛かっているこの曲なんだけど、冒頭にも書いた通りメロディは上質なポップス。ただ歌詞が消極的で暗い。嫌いとか苦手って訳ではないんだけど、こういったポップで爽やかなメロディ・演奏×暗い歌詞の曲ってどことない恐怖を感じる。なんていうか、昨日までニコニコしてた同僚が翌日突然退職願持って出社してきたような、そんな感じ。その振り幅というか、そこが結構怖い。ほら、スイカに塩振ると何もかけてないときよりも甘く感じるじゃん。冷静に考えたらそれって怖くない??なんで塩かけとるのにしょっぱくならんねんってならん???人間って本当不思議やんな…

 

まあスイカの話はどうでもいいんだけど、この曲の歌詞って真夏の扉のアナザーストーリーなんじゃないかなーって個人的に思ってる。

 

夏の扉の最初のAメロの歌詞って

 

『ありふれた奴等の言葉はいつもの皮肉 諦めを手にした瞳 輝きはなくて 聞き流す耳からこぼれてしまったものは かつて愛した夢』

 

って感じで『夢を諦めて投げやりな自分』を表現してるんじゃないかなーって思ってるんだけど、真夏の扉の主人公はここからつまづいた季節はきっと想い出に変わるってことを気づかせてくれた貴方と出会って変わろうと頑張る決意をする。でもホワイトノイズの主人公は多分その『貴方』に出会えなかった未来の話なんじゃないかなーと。だから『誰の為に歌えばいいの?』って自問もするし、回る回る世界の真ん中でただ独り、途切れ途切れ想い出に縛られて一歩も動けないわけで…

 

いや、もうこの解釈は本当に僕の妄想なわけなんだけど、こういった妄想とか自分なりの考察を深掘りしていけるところが一つのバンド・歌手を聴き続ける面白さだと思う。

 

ちなみに昔のブラウン管テレビで言うところの砂嵐のザーッて奴が所謂ホワイトノイズなんだけど、当時このホワイトノイズのザーッて音を聴いてると何か眠くなったんだよね。調べてみたらやっぱりホワイトノイズには安眠をもたらす効果があるそう。この曲の主人公は『もういっそ何もかも投げ出して眠ってしまいたい』って思ってホワイトノイズをくれって言ってたのかもね。